第115回看護師国家試験 午後80
急性腎不全の症状について正しいのはどれか。
- 関節痛
- 頻呼吸
- 食欲増進
- 視力低下
- 足のムズムズ
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答え
2 頻呼吸

WING先輩の解説
腎臓は、ゴミ捨て担当
ゴミを捨てているのが腎臓です。だから腎臓が悪くなるとゴミがたまります。急に働きが低下すると、老廃物だけでなく、水や電解質、酸の調節もうまくいかなくなります。とりあえず体がゴミ屋敷になると思ってください。
今回、頻呼吸へつなげたいのは酸です。腎臓は酸を捨てる臓器ですから、腎臓が働かないと酸性に傾いてしまいます。これが代謝性アシドーシス。答えは2の頻呼吸です。
腎臓の病気でも、尿の症状だけとは限りません。腎臓で酸を処理できないことに、呼吸が反応するのです。
酸を捨てる臓器は、腎臓と肺
腎臓と肺がせっせ、せっせと皆さんの体から酸を捨ててくれているんです。腎臓は酸の排泄や重炭酸の調節、肺は二酸化炭素〈CO₂〉を吐き出す係。二酸化炭素って、水に溶けたら炭酸になるね。酸性なんですよ。
腎不全で体に酸がたまると、代わりに俺が酸を捨てたるわと言って肺がする。換気を増やして、CO₂を多く吐き出すことでpHの低下を補おうとします。これが呼吸による代償。今回の頻呼吸の正体です。
元の異常は、腎臓から酸を捨てられないこと。腎臓が働けんくなったらどうなる酸性になるんですよね。呼吸関係ないよね。代謝性アシドーシスです。呼吸が変わったから「呼吸性アシドーシス」になるのではありません。代謝性の異常を、呼吸が代償しているところを分けてください。
クスマウル呼吸とも、つながる
強い代謝性アシドーシスでみられる、深く大きい規則的な呼吸がクスマウル呼吸です。クスマウル呼吸何がしたいかといったら酸を捨てたいんです。有名なのが糖尿病性ケトアシドーシスですが、それだけじゃないです。腎不全でも出てきます。
ただし、呼吸回数が多いというだけで、全てをクスマウル呼吸とは呼びません。回数だけでなく、深さやリズムも見ます。急性腎不全の患者さんが、必ず同じ呼吸をするわけでもありません。
水やKも、捨てられなくなる
急性腎不全では、水も体内にたまって浮腫や肺うっ血を起こすことがあります。呼吸の変化を見たときは、酸塩基平衡だけでなく、体液の貯留にも目を向けます。
Kが排泄できなければ、高カリウム血症。不整脈にも注意が必要です。「何が外へ出せないか」から考えると、酸、水、Kが同じ仕事の低下としてつながります。
尿が少ない乏尿期と、回復に向かって尿が多くなる利尿期では、注意する方向が逆になります。利尿期には、今度は脱水やKの喪失に気を付けます。尿が増えたことだけで、元通りとは判断しません。
他の症状を、無理に同列へ並べない
急性腎不全で食欲が増す、は逆です。食欲不振や悪心・嘔吐などがみられます。3の「食欲増進」は選びません。
5の足のムズムズは、慢性腎不全や透析の患者さんでみられることがある症状です。1の関節痛や4の視力低下も、急性腎不全の代表症状には当たりません。
原因と代償を分ける
腎臓から酸を捨てられなくなると、どの酸塩基平衡異常につながりますか?
代謝性アシドーシスです。
そのとき換気が増えるのは、何を吐き出すため?
CO₂です。CO₂を減らし、pHの低下を呼吸で代償します。
回復に向かって尿が多くなる利尿期。水とKは、どちらの方向に気を付けますか?
水やKが失われる方向。脱水や低カリウム血症に気を付けます。
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