第115回看護師国家試験 午前26
骨格筋の収縮で正しいのはどれか。
- アクチンがATPを消費する。
- 細胞外カルシウムイオンが必要である。
- 筋収縮の結果、グリコゲンが蓄積される。
- ミオシンフィラメントの長さは変化しない。
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答え
4 ミオシンフィラメントの長さは変化しない。

WING先輩の解説
深入り禁物。まず、カルシウムと三つの名前
この問題はマニアックです。みんなが解けないようなマニアックな問題解ける必要ないんです。筋収縮の細かな仕組みは、深入りしなくてOK。
最初に覚えるのは、筋収縮のトリガーはCa²⁺、カルシウムイオンということ。そして、登場する名前はトロポニン・アクチン・ミオシンの三つです。
これらの名前を見たときに「筋収縮の話だな」とわかることが先です。その土台から、今回の正答である4の「ミオシンフィラメントの長さは変化しない。」につなげます。
筋肉全体が縮んでも、糸そのものは短くならない
フィラメントは、糸状の構造という意味です。アクチンが細い糸、ミオシンが太い糸。この二つが滑り合うことで、筋肉全体が短くなります。
ミオシンの頭部がアクチンをつかみ、引き寄せます。アクチンがミオシンの間に滑り込み、重なりが増える。この仕組みを滑り説といいます。
何が変わるのか。二つの糸の重なり方です。アクチンやミオシンの糸自体が縮んで短くなるわけではありません。だから、ミオシンフィラメントの長さは変わらない、が正しくなります。
「筋収縮だから、ミオシンも短くなるはず」。ここがひっかけです。筋肉全体の長さと、筋肉の中にある糸一本の長さは別物です。
カルシウムは、どこから来るのでしょう
骨格筋へ神経から興奮が伝わると、筋小胞体からカルシウムイオンが放出されます。今回押さえるのは、細胞外から入ってくるカルシウムではなく、筋細胞の中の筋小胞体に蓄えられたカルシウムです。
放出されたCa²⁺は、トロポニンに結合します。すると、アクチンの結合部位が露出し、ミオシンがアクチンと結び付けるようになります。
では、ミオシンが引き寄せるときのエネルギーは何でしょう。
ATPです。 ATPはエネルギーって頭の中で言い換えてくださいね。ミオシンの頭部がATPのエネルギーを使って、アクチンを引き寄せます。ATPを使うのは、アクチンではなくミオシン側です。
神経の興奮→筋小胞体からCa²⁺→トロポニンに結合→ミオシンがATPを使ってアクチンを引き寄せる。 この順番で、今回の区別ができます。
もう一つの選択肢にあるグリコゲンは、筋肉のエネルギー源の蓄えです。運動中の骨格筋ではその蓄えが減るため、筋収縮の結果として蓄積するとは考えません。
仕組みの前提となる、筋肉の分類も確認する
今回聞かれているのは骨格筋です。まず分類を確実にします。
骨格筋は、皆さんが動かせる筋肉。随意筋で、横紋という模様があります。胃や腸、血管などの平滑筋は、言うことを聞かない筋肉。不随意筋で、横紋はありません。
ここで例外になるのが心筋です。「横紋筋だが不随意」。心臓の筋肉に動けっつっても動きませんよね。骨格筋と共通するのは横紋、不随意という点は平滑筋と共通します。
Na⁺やK⁺も電気的な興奮に関わりますが、今聞かれている収縮のトリガーはCa²⁺です。
今回から残すところを、隠して言う
今回の細かな正誤を読んだあとも、最優先は変わりません。Ca²⁺と、トロポニン・アクチン・ミオシン。そこから筋小胞体、ATP、糸は短くならない、の順に付け足します。
骨格筋収縮のトリガーと、そのイオンが放出される場所は?
カルシウムイオン、Ca²⁺です。筋小胞体から放出されます。
筋収縮に関わる三つの名前は? Ca²⁺が結合するのはどれ?
トロポニン・アクチン・ミオシン。Ca²⁺が結合するのはトロポニンです。
ATPを使ってアクチンを引き寄せるのは? そのとき糸自体は短くなる?
ミオシンの頭部です。アクチンとミオシンが滑り合って重なりが増え、筋肉全体が短くなります。糸そのものの長さは変わりません。
横紋筋なのに、不随意筋なのは?
心筋です。骨格筋は随意・横紋、平滑筋は不随意・平滑です。
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