第115回看護師国家試験 午前22
酸素投与器具を図に示す。最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。

- 鼻カニューレ
- 簡易酸素マスク
- ベンチュリーマスク
- リザーバー付きマスク
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答え
4 リザーバー付きマスク

WING先輩の解説
高濃度なのか、濃度を正確に合わせたいのか
この4つの中で最も高濃度の酸素を吸えるのは、リザーバー付きマスクです。袋に酸素をためておき、それを吸います。鼻カニューレや簡易酸素マスクより、高い濃度の酸素を届けられます。ただし、比べているのは今回の4つの中で。ハイフローなど、今回とは別の器具が選択肢に入ったら、無条件にリザーバーとは答えません。
ここでベンチュリーマスクと迷ったら、高濃度と高流量を混同していないか、確認してください。同じ「高」が付いていますが、別の話です。
高濃度は、吸うガスの中で酸素が占める割合が高いこと。濃度は%で表します。高流量は、患者さんが吸おうとする量を満たすだけのガスを供給すること。こちらは流れる量の話です。
高流量システムのベンチュリーマスクは、あんまり濃い酸素は投与できません。得意なのは、決めた濃度を、正確に届けることです。
低流量の弱点は「患者さん次第」
鼻カニューレ、簡易酸素マスク、リザーバー付きマスクは、低流量システムに入ります。リザーバーもこちらです。酸素の濃度が高いから高流量、と分けないでください。
鼻カニューレから流れてくる酸素だけでは、吸う息の全部を賄えません。流れてくる酸素の量が少ないから患者さんが吸う空気に空気が混じるんです、外から。なので希釈されちゃう。患者さんの呼吸が早いか遅いかで濃度って変わっちゃうんです。低流量は、吸入酸素濃度が安定しない。 ここが弱点です。
リザーバー付きマスクも、濃い酸素を投与できるけれど、濃度は患者さん次第。患者さんの息がゆっくりであれば100%近くまで行くことができるし、患者さんがめっちゃ深呼吸だったら60%まで下がります。わからないというのがポイントです。
今回の選択肢なら、鼻カニューレは手軽で会話や食事がしやすい器具。簡易酸素マスクはそれより高い濃度を届けられますが、リザーバー付きマスクには及びません。
COPDの酸素療法へつなげる
酸素なら濃いほどよい、でしょうか。
そうではありません。 COPDなどで二酸化炭素がたまっている患者さんでは、酸素を投与しすぎると、さらに二酸化炭素がたまり、意識障害や呼吸停止をきたす危険があります。これがCO₂ナルコーシスです。
CO₂ナルコーシス起こしたくないなら高流量システムを選びます。ベンチュリーマスクやハイフローネーザルカニューラなどの高流量システムは、狙った濃度を正確に投与できるからです。「COPDだから低流量」と、低流量・低濃度を同じ意味で使わないこと。低流量は患者さん次第で濃い酸素を吸ってしまうんです。だから皆さんがよく使う方が危ないんです。
ここでは、二酸化炭素がたまっている呼吸不全をⅡ型と呼ぶこともつなげましょう。「2型はCO₂が上がる」。細かな数値より、この対応を先に覚えます。
酸素療法の土台は、「60-90」です。PaO₂が60Torr、SpO₂が90%。酸素が足りないかを判断する大切な目印です。ただし、酸素が足りないと分かった後に、何%の酸素を、どの器具で届けるかは別の判断になります。器具を選んだ後も、SpO₂や呼吸、意識を見続けます。
隠して、違いを説明してみる
今回の4つの器具で、最も高濃度の酸素を吸入できるのは?
リザーバー付きマスク。袋に酸素をためて吸います。ただし、実際の濃度は患者さんの呼吸などで変わります。
高流量システムの強みは? 低流量の弱点と対にして答えてください。
高流量システムは、狙った酸素濃度を正確に届けやすい。低流量は周りの空気が混ざり、患者さんの呼吸によって濃度が変わります。
Ⅱ型呼吸不全でたまるものと、酸素を投与しすぎたときに注意する合併症は?
二酸化炭素がたまります。注意するのはCO₂ナルコーシスで、まず意識障害と呼吸停止を覚えます。
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