第115回看護師国家試験 午後67
Aさんは産褥2日である。現在、子宮底の位置は臍高で、大きく柔らかい。下腹部痛はないが悪露の排出は多い。
Aさんへの看護ケアで適切なのはどれか。
- 安静臥床を保つ。
- 直接授乳を控える。
- 下腹部を温罨法する。
- 子宮底をマッサージする。
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答え
4 子宮底をマッサージする。

WING先輩の解説
子宮は、縮むことで出血を抑える
胎盤が出たあとの子宮は、なぜ硬く縮む必要があるのでしょう。胎盤がはがれた部分の血管を、子宮の筋肉の収縮で締めるためです。
子宮底は、硬く触れるのが収縮良好のしるし。大きく柔らかい子宮は収縮が弱いので、出血が続きやすくなります。硬さを触って確かめるのは、出血を止める働きを確かめるためです。
Aさんは産褥2日。子宮底は臍高で、大きく柔らかく、悪露が多いとあります。高さだけでなく、硬さと出血を合わせると、子宮の収縮不良が考えられます。
痛くないから順調、とは言えない
「下腹部痛はない」と読むと、問題がなさそうに感じるかもしれません。でも、子宮復古を見る中心は、痛みの有無だけではありません。
産後の子宮底は、日数とともに下がっていきます。2日目なのに臍の高さで大きいことは、収縮が弱いというほかの所見と合わせて読みます。日数、子宮底の高さと硬さ、悪露がつながります。
選択肢の中で必要なケアは、4の子宮底のマッサージです。子宮を刺激して収縮を促します。行ったあとは、硬くなったか、出血が減ったかを確かめます。
選択肢を、理由と一緒に確かめる
| 選択肢 | 判断と理由 |
|---|---|
| 1.安静臥床を保つ。 | × 安静だけでは、この場面の子宮収縮不良への直接の対応になりません。 |
| 2.直接授乳を控える。 | × 吸啜によるオキシトシン分泌は子宮収縮を助けます。収縮不良を理由に一律に控えません。 |
| 3.下腹部を温罨法する。 | × この場面で必要なのは収縮を促す子宮底への刺激です。下腹部を温める方法は選びません。 |
| 4.子宮底をマッサージする。 | ○ 子宮収縮を促し、硬さと悪露・出血の変化を確認します。 |
授乳を控えると、子宮収縮を助ける刺激も減る
おっぱい吸ったらオキシトシンが出る。そして子宮収縮。オキシトシンは、児が乳頭を吸う刺激で母体の下垂体後葉から分泌され、乳汁も出させます。
授乳は、母体にとって「赤ちゃんに母乳を届ける作業」と「子宮を元に戻す作業」が同時に進むイベントです。「授乳をすると乳房がどうなるか」に加え、「子宮はどうなるか」まで考えると、直接授乳を控える選択肢が不適切だと分かります。
また、膀胱が張ると子宮が押し上げられ、復古の妨げになる。だから排尿の状態も確かめます。
マッサージをしたら、それで終了ではない
この問は、四つの看護ケアの中から子宮収縮を促す対応を選ぶ場面です。実際に出血が多い場合には、量や持続、脈拍・血圧、気分不良などを確認し、速やかに報告して対応します。収縮薬や、ほかの出血原因の評価が必要になることもあります。
正常に硬く縮んでいる子宮へ、全員に強いマッサージを続ける話でもありません。収縮が弱く、出血が多いこの場面だから、収縮を促して反応を確認する。
隠して、所見から援助へつなぐ
子宮底が大きく柔らかく、悪露が多いとき、何を疑う?
子宮の収縮不良を疑います。子宮底をマッサージして収縮を促し、硬さと出血の変化を確認します。出血が多い場合は全身状態の確認と報告も必要です。
授乳が子宮復古を助けるのは、何というホルモンによる?
オキシトシンです。吸啜刺激で下垂体後葉から分泌され、射乳と子宮収縮を起こします。
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