第115回看護師国家試験 午後60
乳児の呼吸器の解剖学的な特徴で正しいのはどれか。
- 肋骨はほぼ水平位である。
- 肺胞数は成人に比べて多い。
- 胸郭の左右径は前後径の2倍である。
- 気道内径は成人に比べて相対的に太い。
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答え
1 肋骨はほぼ水平位である。

WING先輩の解説
乳児は腹式呼吸。肋骨が水平だから
乳児は腹式呼吸です。呼吸を観察するとき、お腹の動きが目立ちます。
理由は胸郭のつくり。乳児の肋骨は、ほぼ水平に並んでいます。肋骨が水平で胸を広げにくく、呼吸に使う筋肉も未熟なため、お腹で呼吸する。肋骨が水平→胸を広げにくい→横隔膜に頼る。答えは1の「肋骨はほぼ水平位である。」です。
肺は、周りの筋肉が胸を広げて膨らむ
肺は自分では動けない。周りの筋肉が「箱(胸郭)」を広げる力で膨らむ「受動的な袋」です。
息を吸うときの主役は、横隔膜と外肋間筋です。横隔膜は、収縮するとドームになってたのがペコンと凹みます。この結果、肺が膨らみます。外肋間筋は、外に広げる外肋間筋。肋骨を引き上げて、胸郭を外へ広げます。
乳児では、胸郭も呼吸筋も発達の途中です。肋骨を動かして胸を広げるより、横隔膜の上下の動きが大事になります。
腹式呼吸は、横隔膜を下げることによる呼吸です。横隔膜が下がると、お腹にある内臓が押し出されてきて、お腹が張ります。お腹で息は吸えません。内臓が押し出されているだけです。肺を膨らませるために、どの筋肉を使うかの話です。
胸郭の断面は、成人より丸い
3の「胸郭の左右径は前後径の2倍である。」は、乳児の特徴ではありません。乳児は前後径と左右径がほぼ同じで、断面は丸い形に近くなっています。
成人の胸郭は左右に長い。成長に伴って、胸郭の形も変化します。
肺胞は少なく、気道は細い
2の「肺胞数は成人に比べて多い。」は逆です。乳児の肺は発達の途中で、肺胞数は成人より少ない。
4の「気道内径は成人に比べて相対的に太い。」も逆。乳児は気道の直径が小さい。少しの腫れや分泌物で詰まる。乳児が気道を詰まらせやすいのは、このためです。
隠して、形から説明する
乳児の肋骨はどう並び、呼吸の型は何が中心ですか。
肋骨はほぼ水平です。胸を広げにくく、横隔膜を下げる腹式呼吸が中心です。
乳児の胸郭の前後径と左右径、肺胞数、気道の太さを説明してください。
前後径と左右径はほぼ同じで、胸郭の断面は丸い形に近くなります。肺胞数は成人より少なく、気道は細いのが特徴です。
参考資料
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