第115回看護師国家試験 午前82
キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程のなかで、肺癌と診断された人が、喫煙をやめることで病気をなかったことにできるのではないかと考える段階はどれか。
- 怒 り
- 受 容
- 取 引
- 否 認
- 抑うつ
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答え
3 取 引

WING先輩の解説
「これをするから、病気をなかったことに」は取引
病気をなかったことにしたい。そこだけを読めば、否認のようにも見えますね。
でも、この人は「喫煙をやめることで」と条件をつけています。「自分が何かをすれば、この現実を変えられるのではないか」という考え方です。答えは3の取引です。
否認は、現実を認めない。取引は、「何かを差し出すから」「これを守るから」と条件をつけて、病気や死を避けたいと考えます。条件があるかを見れば、今回の2つは分けられます。
5段階は「ひつじ」で並べ、場面で確かめる
順番は、否認→怒り→取引→抑うつ→受容。「ひつじ」で思い出します。否認のH、怒りのI、取引のT、抑うつのU、受容のJIをつなぐ覚え方です。
ただ、名前を順に言えるだけでは、今回のような場面の問題は解けません。短い言葉と組み合わせておきましょう。
| 段階 | 場面を見分ける言葉 |
|---|---|
| 否認 | 「まさか自分ががんなんて」 |
| 怒り | 「なぜ自分だけこんな目に」 |
| 取引 | 「これをやめたら、病気をなかったことにできないか」 |
| 抑うつ | 「もうだめだ」。病気や喪失のつらさから、深く落ち込んでいる |
| 受容 | 「わかった」。置かれた現実を受け止めている |
1の怒りは不公平感を爆発させる。2の受容は、現実を受け止めること。5の抑うつは悲しみに沈む。4の否認は、現実そのものを認めない反応です。
順番を覚えることと、患者を順番にはめることは別
国試では、5つの順序や、言動と段階の対応が問われます。一方、実際の人の気持ちが、この順番で一方向に進むとは限りません。複数の反応が重なったり、一度落ち着いてから再び怒りや悲しみが出たりすることもあります。
だから看護師の仕事は、「もう次は受容の段階ですよ」と進めることではなく、いま語っている思いを受け止め、本人が話せるように関わることです。受容している人にも、悲しみが残ることはあります。
また、禁煙には医学的な利益があります。今回問われているのは、禁煙の医学的な利益と、「禁煙すれば診断をなかったことにできる」という心理を分けて読むことです。
隠して、否認と取引を区別する
「診断が間違っている」と「禁煙するから病気をなかったことに」。それぞれ何?
前者は否認、後者は取引です。後者は、現実を変えるための条件をつけています。
5段階を順に言える? 患者の反応も必ずその順番?
否認→怒り→取引→抑うつ→受容です。「ひつじ」で思い出します。ただし、実際の反応は必ずこの順で進むものではありません。
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