第115回看護師国家試験 午前53
電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。
- 高カリウム血症 ― 心室細動
- 低カリウム血症 ― QT時間の短縮
- 高ナトリウム血症 ― 水中毒
- 低ナトリウム血症 ― 口 渇
解答・解説を見る解答・解説を閉じる
答え
1 高カリウム血症 ― 心室細動

WING先輩の解説
カリウムは、心臓の電気に関係する
血液中に多いのはナトリウム。じゃあ、カリウム少ない分どこにいるんですか。細胞の中にいるんですね。カリウム〈K〉は細胞内に多い陽イオンです。細胞の電気的な働きに関わり、心臓のリズムにも影響します。
血液中のカリウムが高くなると、心臓の電気の伝わり方が乱れ、心室細動や心停止を起こすことがあります。答えは1の高カリウム血症と心室細動です。
Kは、上がっても不整脈出るんですけどね、下がっても不整脈につながります。結構ね、カリウム大事なんですよ。正常からどちらへ外れても、心臓への影響を考えます。
細胞が壊れると、中のKが外へ出る
細胞内にカリウムはいっぱいあります。細胞が壊れると、中のKが外へ出ます。この三つ。高カリウム血症カリウム高くなる原因としてしっかり結びつけておいてください。
- 溶血:試験管内でカリウムが上がる状態です。採血した血液の中で赤血球が壊れ、赤血球内のKが検体の液体側へ出ます。患者さんの体内のKが高いのではなく、検体のKが偽高値になることがあります。
- クラッシュ症候群:がれきなどで長く圧迫された筋肉が壊れると、筋細胞内のKが血液中へ出ます。救出されて助かってよかったねー言うてたらバーッと心肺停止。圧迫から解放される際に高Kが問題となり、不整脈や心停止につながることがあります。
- 腫瘍崩壊症候群:抗がん剤治療などでがん細胞が一気に死ぬのでカリウムがばらまかれます。こちらは体内でカリウムが上がる場面です。
共通しているのは「細胞が壊れてKが出る」こと。ただし、検体の中で起きた溶血と、患者さんの体内で起きた細胞破壊は分けてください。
採血に苦労したら、苦労したと申し送る
採血に苦労したら、この人苦労しましたっていう申し送りをしておいてください。採血時の溶血で、Kが偽高値になることがあるからです。
患者さんのカリウムが7.0です。パニック値ですとか言って検査室から電話かかってくることあります。大慌てでカリウム下げる治療しました。でも実は採血のときの溶血だった。偽高値を本当の高Kと思って下げる治療をすれば、不要な治療になる可能性があります。採血苦労したっていう申し送りをしといてくれたら、もう1回取ってみようかってなる。本当に高Kなのか、再採血で確かめる判断につながります。
反対に、採血に苦労したから必ず偽高値、とも決めません。患者さんの状態・心電図と合わせて確認します。重症の高Kが疑われるときは、再採血を理由に必要な治療を遅らせません。
高Kの代表的な心電図所見はテント状T波。T波がとんがっちゃいます。
低KとQT短縮は、組み合わせない
低カリウム血症では、T波が平らになる、U波が目立つなどの心電図変化がみられます。2の「QT時間の短縮」という組合せは選びません。低Kは、QT延長や危険な不整脈に関わります。
心電図が苦手な人は、これだけ覚えてください。高カリウム血症はテント状T波。
Naは「水との割合」で考える
次はナトリウム〈Na〉。こちらは細胞外液に多い陽イオンです。採血結果に出ているNaは、体内にある総量そのものではありません。検査データは濃度。水との割合で考えます。
水が相対的に多くなってNaが薄まれば、低ナトリウム血症。水飲みまくってる人は薄くなるんです。水中毒はこちらです。
反対に、水が不足してNaが濃くなると、高ナトリウム血症になることがあります。口渇は、こちらの代表的な症状です。3の高Naと水中毒、4の低Naと口渇は、向きが逆です。
水が多くて薄い→低Na、水が足りず濃い→高Na。
隠して、向きを言う
高カリウム血症の代表的な心電図の変化と、重症時に起こりうる不整脈は?
テント状T波。重症時には心室細動などを起こすことがあります。
溶血・クラッシュ症候群・腫瘍崩壊症候群で、Kが高くなる共通の理由は? 採血時の溶血はどこが違う?
細胞が壊れ、細胞内に多いKが外へ出るためです。採血時の溶血は試験管の中でKが上がる状態で、偽高値になることがあります。
水が多くてNaが薄まると、高Naと低Naのどちら?
低Naです。水中毒はこちら。水が足りず濃くなると高Naで、口渇はこちらです。
同じ分野の問題も解いてみよう
