第115回看護師国家試験 午前13
腹部の図を示す。胆囊炎でみられる腹痛の典型的な部位はどれか。

- ①
- ②
- ③
- ④
解答・解説を見る解答・解説を閉じる
答え
1 ①

WING先輩の解説
胆嚢は、どこにある?
胆嚢炎で典型的に痛くなるのは、右季肋部です。右のあばら骨の下あたり。図では、患者さん自身の右側にある①を選びます。向かい合って見ているので、見る側からは左上です。
図の①だけ覚えても、図が変われば使えません。肝臓があるところに、胆嚢がある。だから胆嚢は右季肋部が痛い。 臓器の場所から考えましょう。
肝臓は右側。正直ガッツリあばらに囲まれてます。その下に胆嚢があります。
痛い場所と、臓器の場所をつなげる
腹部の痛みは、臓器がある場所が痛むのが基本です。
胆嚢・肝臓は、右季肋部。虫垂は、右下腹部です。胆嚢炎を聞かれているのに右下腹部の④を選ぶと、虫垂の場所を答えたことになります。虫垂炎ではマックバーニー点と結び付けてください。
②は患者さんの左季肋部で、脾臓のある側。③は左下腹部で、S状結腸のある側です。まず右上に胆嚢、右下に虫垂。体の位置で区別します。
左右を言う基準は、いつも患者さん本人です。自分の右手を挙げるつもりで、図の人の右側を考えれば、見ている側との左右の取り違えも防げます。
胆嚢は、胆汁を「作る」場所?
場所が分かったら、働きです。胆汁を作る臓器はどこでしょう。
肝臓です。 胆嚢は胆汁を貯めているだけ。肝臓で胆汁作って、いっぱい一気に出せるように、胆嚢で濃縮して、ためておく。
ためた胆汁は、胆管を通り、最後は十二指腸へ流れます。
胆汁は何をするのでしょう。脂肪の乳化です。油を水になじませることです。
覚え方は、「膵液=万能バサミ/胆汁=洗顔フォーム」。顔の油を落とそうと思ったら、水で洗っても手が汚れるだけですよね。洗顔フォームで脂を細かくして混ざりやすくするように、胆汁は脂肪を細かい粒にします。これが乳化です。
胆汁に消化酵素は入っていません。脂肪を酵素で分解するのは、膵リパーゼ。リパーゼは脂肪の分解で、胆汁は脂肪の乳化です。膵液は脂肪だけでなく、糖・脂・タンパクの三大栄養素を分解できるので、万能バサミです。
胆管の出口が詰まったら、何が起きる?
この胆汁の道に、胆石が詰まったとします。渋滞するんですね。胆汁が十二指腸へ出られなくなると、閉塞性黄疸につながります。
ビリルビンは、肝臓工場で加工された後、胆汁へ出ていきます。工場の出口が詰まると、加工後の直接ビリルビンが上がる。腸へ届く胆汁が減れば、便に色が付かず灰白色便になります。
右季肋部が痛いことと、出口が詰まって黄疸や灰白色便が出ることは、分けて考えます。胆嚢炎で必ず全部そろうとは限りません。 痛みは臓器がある場所から、黄疸や便の色は胆汁が流れる経路から、それぞれ理由を考えます。
さらに、総胆管と膵管は、ファーター乳頭から十二指腸へ注ぎます。胆管に結石が詰まったら出口一緒なんですよ。膵臓も。胆汁だけでなく膵液の流れにも影響するので、膵炎を合併することがあります。
膵炎で血液中に上がる酵素を二つ、言えますか。アミラーゼとリパーゼです。
図を見ずに、場所と流れを言う
胆嚢炎の典型的な痛みの場所は? 図のどちら側を選ぶかも説明してください。
患者さんの右季肋部。右のあばら骨の下で、今回の図は①です。患者さんと向かい合って見るので、見る側からは左上になります。
胆汁を作る臓器、ためる臓器、流れ着く消化管は?
作るのは肝臓、濃縮してためるのは胆嚢。胆管を通って、十二指腸へ流れます。
胆汁と膵リパーゼは、脂肪に対して何をしますか。
胆汁は脂肪を乳化します。酵素は含みません。膵リパーゼは脂肪を分解する消化酵素です。
胆管の出口が詰まると、上がるビリルビンと便の色は? 膵炎も合併しうるのはなぜ?
直接ビリルビンが上がり、便は灰白色になります。総胆管と膵管が共通の出口、ファーター乳頭につながるため、出口の結石は膵液の流れにも影響します。
同じ分野の問題も解いてみよう
