第115回看護師国家試験 午後68
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉による入院で正しいのはどれか。
- 応急入院は患者の保護者等の同意が必要である。
- 任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。
- 緊急措置入院は2名の精神保健指定医の判断が必要である。
- 措置入院は72時間以内に他の入院形態へ切り替える必要がある。
解答・解説を見る解答・解説を閉じる
答え
2 任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。

WING先輩の解説
入院させる権限と、患者を守る権利をセットで考える
精神科の入院形態は、まず本人が同意しているかで分けます。本人の同意があれば任意入院です。同意がない入院には、それを認める条件が必要になります。
入院させる強い権限があるから、反対側の権力も強くなければいけない。その仕組みに、退院や処遇改善を求める権利があります。
本人が同意して入った人も、その権利を使えます。答えは2の「任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である」です。
任意入院だから、すべてに同意したことにはならない
「自分で入院したのだから、不満があっても請求できない」ではありません。
精神保健福祉法第38条の4は、精神科病院に入院中の人や家族等が、都道府県知事に対して退院や処遇改善のための措置を求められるとしています。任意入院だけを除外する規定はありません。
その請求を受けた知事が、精神医療審査会に審査を求めるという流れです。精神医療審査会は、権力を外部から監視する機関。病院の中にあるんじゃなくて外にあります。入院の必要性や処遇を、第三者として審査します。
72時間がつく入院を、まとめて取り違えない
残る選択肢は、応急入院、緊急措置入院、措置入院の条件の取り違えです。72時間がつくのは、条件が厳しいから条件満たせない時は、72時間以内に限り強引に入院させていいというルールがあるからです。72時間あったら2人揃うのできますよね。72時間あったら親連絡つきますよね。
| 入院形態 | この問題で押さえる条件 |
|---|---|
| 応急入院 | 急速を要し、家族等の同意を得られない場合などに用いる。原則、指定医1名の診察。72時間以内 |
| 緊急措置入院 | 自傷他害のおそれが著しく、通常の措置の手続を取れない緊急時。指定医1名の診察。72時間以内 |
| 措置入院 | 自傷他害のおそれについて指定医2名以上の診察結果が一致し、都道府県知事が決定 |
1は、応急入院に家族等の同意が必要だとしている点が誤りです。応急入院は、必要な入院を急ぐ一方で同意を得られないときの制度です。
3は、緊急措置入院を指定医2名の判断としている点が誤り。2名以上の一致は通常の措置入院、緊急措置入院は1名と分けます。
4は、通常の措置入院に72時間の上限をつけている点が誤りです。72時間以内という限りは緊急措置入院の方です。措置入院が無条件にいつまでも続くという意味ではなく、入院継続の必要性と解除の条件は別にあります。
隠して、条件と権利を答える
任意入院の患者は、処遇改善を請求できる?
できます。任意入院でも対象です。知事への請求を受け、精神医療審査会が入院の必要性や処遇を審査する仕組みがあります。
指定医2名以上の一致が必要なのは、措置入院と緊急措置入院のどちら?
措置入院です。緊急措置入院は指定医1名の診察により行われ、入院期間は72時間以内です。
参考資料
同じ分野の問題も解いてみよう
