第115回看護師国家試験 午前15
肝性脳症の原因物質はどれか。
- プリン体
- アンモニア
- グルコース
- トリグリセライド
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答え
2 アンモニア

WING先輩の解説
アンモニアは、肝臓で尿素になる
タンパク質はアミノ酸になって、アンモニアになって、尿素になって出ていきます。タンパク質→アミノ酸→アンモニア→肝臓で尿素→腎臓から排泄。この流れをたどります。
肝臓は工場ですよ。何かを何かに作り替える。これを代謝といいます。アンモニアを尿素に作り替えるのが、肝臓の大事な仕事です。肝臓が悪いとアンモニアを尿素に作り替えられなくてアンモニアが溜まります。たまったアンモニアが、脳の働きに影響する。肝性脳症の原因物質はアンモニア。答えは2です。
肝臓で尿素に作り替え、腎臓から尿へ捨てる。 処理する場所と、体の外へ出す場所を分けてください。
肝臓が悪いのに、脳の症状が出る
肝性脳症では、意識の変化や羽ばたき振戦がみられます。肝臓の病気だから腹部の所見だけ、とは限りません。処理できなかったアンモニアが全身に回るため、脳にも影響するのです。
羽ばたき振戦は、名前のわりに全然羽ばたいてない所見です。勝手に出たらわかりやすいんですよ。でも、皆さんが指示しないと出ません。腕を前にまっすぐ伸ばし、手首を反らしてキープしてもらう。すると、プルプルするんじゃなくてフッって力が抜けます。姿勢を保てなくなる。力を入れ続けられないっていう症状です。アステリキシス、陰性ミオクローヌスとも呼びます。
「ビア腹のPT」へ、同じ流れで広げる
肝硬変の重症度をみるChild-Pugh分類は、とっておきの語呂で覚えます。「ビア腹のPT(ペイシェント)」。ビールッパラの患者という意味です。
- ビ:ビリルビン
- ア:アルブミン
- 腹:腹水
- の:脳症
- PT:プロトロンビン時間
アンモニア入ってないよ。肝性脳症を引き起こす物質であることと、Child-Pugh分類の採点項目であることは別です。4つしか出てこなかった人は、脳を忘れているかもしれません。「の」が脳症です。
アンモニアの数値で重症度は決まらないっていうのが実はミソ。診断も、値だけでは決まりません。意識や行動、身体所見を実際にフィジカルアセスメントして評価します。アンモニアの基準値は、覚える価値があまりない。アンモニアを処理できない→脳症、そして羽ばたき振戦を優先しましょう。
肝臓の仕事は、必要なものを作る、いらないものを壊す。作れなくなったのがアルブミンや凝固因子、壊せなくなったのがアンモニアやビリルビン。
名前の似ていない選択肢も、役割で分ける
プリン体は、体内で分解されると尿酸になる物質です。尿素、尿酸ちゃいますよ。グルコースはブドウ糖。トリグリセライドは中性脂肪です。どれも体内の物質ですが、肝性脳症の原因物質はアンモニアです。
流れと所見を思い出す
アンモニアを尿素に作り替える臓器と、尿素を捨てる臓器は?
尿素に作り替えるのは肝臓、尿に捨てるのは腎臓です。肝臓が悪いと、アンモニアがたまって肝性脳症になります。
「ビア腹のPT」を五つに戻してください。アンモニアは入りますか?
ビリルビン、アルブミン、腹水、脳症、プロトロンビン時間。アンモニアは入っていません。
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