第115回看護師国家試験 午後50
多発性筋炎と診断された成人の症状について正しいのはどれか。
- 両頰に紅斑がある。
- 足関節が動かせない。
- 物を持ち上げられない。
- 温熱刺激で手指が白色になる。
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答え
3 物を持ち上げられない。

WING先輩の解説
多発性筋炎は、近位筋の筋力低下
多発性筋炎は、近位筋の筋力低下です。近位筋は、肩・股関節周囲の筋肉。体幹に近いところの筋肉です。手指や足先など、体幹から離れたところとは分けます。
肩の周りの筋肉に力が入りにくければ、腕を上げて物を持ち上げることが難しくなります。答えは3の「物を持ち上げられない。」です。
足首が動かせない、との違い
2は「足関節が動かせない」。足首の動きの障害で、近位筋の筋力低下を表す選択肢とは違います。
病名に「筋」が入っていることと、典型的に障害される場所は別です。今回の比較では、足首よりも、肩周囲などの筋力低下を反映する「物を持ち上げられない」が適切です。
頬の紅斑と、筋力低下を混ぜない
1の両頬の紅斑から代表的に思い出すのは、全身性エリテマトーデス、SLEの蝶形紅斑です。蝶々みたいな紅斑。多発性筋炎の中心となる所見ではありません。
名前の近い皮膚筋炎では、近位筋の筋力低下に加え、まぶたのまわりが赤紫になるヘリオトロープ疹や、指関節背側のゴットロン徴候などが見られます。多発性筋炎には、こうした皮膚症状はありません。
白くなる手指は、刺激の条件まで読む
4は「温熱刺激で手指が白色になる」。ここで混同しやすいのがレイノー現象。典型的には、寒冷や精神的ストレスをきっかけに末梢の血管が収縮し、手指などが白くなる現象です。きっかけは温熱ではなく、寒冷です。
多発性筋炎などにレイノー現象が伴うこともあります。だから、誤答理由を「この病気では絶対に起きない」とはしません。今回の文は、刺激の条件が違います。
ここは、理屈を深追いしすぎない
膠原病は丸暗記科目です。理屈を考え出すと、迷路に入っちゃう。今回は詳しい抗体や分類を増やすより、近位筋はどこか、弱くなると何ができないかを確実にします。
近位筋とは、体のどのあたりの筋肉? 多発性筋炎では何が起きる?
肩や股関節周囲など、体幹に近い筋肉です。筋力が低下し、物を持ち上げるなどの動作が難しくなります。
レイノー現象で手指が白くなる典型的なきっかけは、温熱と寒冷のどちら?
寒冷です。精神的ストレスがきっかけになることもあります。
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