第115回看護師国家試験 午前76
バソプレシンが作用する腎臓の部位はどれか。
- 糸球体
- 集合管
- 遠位尿細管
- 近位尿細管
- Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉
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答え
2 集合管

WING先輩の解説
バソプレシンは「水再吸収ホルモン」
バソプレシンが働く場所は、腎臓の集合管。今回なら2です。何を、どちらへ動かすのか。
水を血管へ戻します。 バソプレシンは、水再吸収ホルモンと覚えます。
もう一つの名前はADH、抗利尿ホルモンです。「利尿」は尿を出すこと。それに抗うので、「おしっこ(利尿)に抗う」=出すな!の命令です。集合管で水が再吸収されれば、そのまま尿として出ていく水は減ります。
尿は少なく、濃くなります。 尿から水が血液へ戻るので、残った尿は濃くなる。
なぜ「水だけ」が大事なのでしょう
体の原則では、「NaとWaterは一緒に動く」。ナトリウムを動かすと必ず水がセットでついてきます。
例えば、アルドステロンはNaを再吸収させます。ナトリウムを再吸収したら水も一緒についてくる。だから循環血液量が増える。ここは量の調節です。
ナトリウムを動かしている限り、濃さは調整できないんです。一方、バソプレシンは水だけ動かせます。だから、血液の「濃さ」を調節できます。
水を再吸収しますから血液薄くなるよね。この濃さを表す言葉が浸透圧です。バソプレシンが分泌されたら血漿浸透圧は下がる。
それなら、どんなときに分泌される?
バソプレシンは薄めるためのホルモンです。血液が濃くなっちゃったら分泌されますよ。
脱水で水が不足すると、血液が濃くなり、血漿浸透圧が上がる。その変化を感知すると、下垂体後葉からバソプレシンが放出されます。集合管で水を再吸収し、おしっこを出さないようにします。
浸透圧が上がった時に分泌されて下げにかかる。分泌されるきっかけと、働いた結果が逆向きなのです。
出血などで循環血液量や血圧が下がったときにも分泌が増えます。ただ、最初に残すのは「血が濃くなったら、水を戻して薄める」という働きです。
集合管を、尿ができる道順の中に置く
尿ができる流れは、糸球体→近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管です。バソプレシンが働くのは、最後の集合管です。
糸球体は、血液をろ過して原尿を作るところです。集合管の水再吸収とは段階が違います。近位尿細管は、大事なものから再吸収します。ブドウ糖アミノ酸って超大事でしょ。ヘンレのループは、フロセミドなどのループ利尿薬が働く場所。ループに効くからループ利尿薬です。
遠位尿細管と集合管は、もう最後の微調整やと思ってください。遠位尿細管も尿の調整に関わる場所ですが、今回、バソプレシンの代表的な作用部位として選ぶのは集合管です。
バソプレシンが足りなかったら?
水を戻す働きが弱くなるので、おしっこが出すぎてしまう。出てくるのは大量の薄い尿。喉が渇き、水をたくさん飲む。バソプレシンが不足する尿崩症へつながります。
飲酒後しばらくはバソプレシン(ADH)の放出が抑えられます。お酒を飲むとトイレが近くなるのも、水の再吸収が減って尿が増える、という同じ話です。
見ずに、水の動きを言ってみる
バソプレシンの別名と、放出される部位、腎臓での作用部位は?
ADH、抗利尿ホルモン。下垂体後葉から放出され、腎臓の集合管に作用します。
バソプレシンが働くと、血液と尿の濃さはそれぞれどうなる?
水が血液へ戻るので血液は薄まり、血漿浸透圧は下がります。尿は少なく、濃くなります。
血漿浸透圧が上がったとき、分泌は増える? 減る? なぜ?
増えます。血が濃くなったので、水を再吸収して薄めるためです。
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