第115回看護師国家試験 午後14
心房細動について正しいのはどれか。
- 心電図でP波を認める。
- 心房の興奮は規則的である。
- 心房内に血栓を形成しやすい。
- 房室結節の興奮伝導障害である。
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答え
3 心房内に血栓を形成しやすい。

WING先輩の解説
心房が震えると、なぜ血栓ができるのか
正しいのは、「心房内に血栓を形成しやすい。」です。
名前にある細動は、細かく震えていること。細動は痙攣やと思ってください。心房がバラバラに震え、しっかり収縮できなくなると、血液がよどみます。血は流れてないと固まるという特徴があるんですよ。だから血は淀むと血栓になります。
どこにできるのでしょう。
左心房、特に左心耳です。 左心耳は、左心房の隅にある袋のような部分。ここで血液がよどみやすくなります。
心電図も、震えている場所から考える
心電図で、心房の興奮は何波でしょう。P波です。心室の興奮は、QRSです。
ここを結び付けて、「P波プルプル=AF/QRSプルプル=VF」。
AFは心房細動、VFは心室細動です。心房細動では、いつもの形のP波がなくなり、基線が細かく震える細動波になります。細動波というのはこのP波プルプルのことをいいます。P波を作る心房の興奮が、バラバラになっているのです。
もう一つ、心房細動の心電図の特徴を言えますか。
RR間隔がバラバラ。 RはQRSのてっぺん。RとRの間隔、脈と脈の間隔が不規則になります。
電気の伝わり方は、ライブ会場のウェーブを思い浮かべてください。正常なら、観客が順番に立つ波になります。心房細動では、心房側のウェーブが崩れ、バラバラな信号が押し寄せます。心房と心室の間にある房室結節は、気まぐれな関所。押し寄せた信号を身元チェックして、はい、そろそろいいよ~はい、ダメ~と、通したり通さなかったりする。だから、心室の拍動の間隔もバラバラになります。
選択肢の「心房の興奮は規則的である。」は、この病態と逆です。「心電図でP波を認める。」も誤り。正常なP波は見られません。
「房室結節の興奮伝導障害である。」は、房室ブロックの話です。関所で電気が止まるのが房室ブロック。心房そのものがバラバラに興奮するのが心房細動です。
左心房の血栓は、どこへ飛ぶ?
左心房→左心室→大動脈→全身。
左心房にできた血栓は、この流れに乗って全身に飛んでいきます。結論から言うと、どこでも詰まります。1/2の確率で脳に行きます。一番詰まって欲しくない臓器といえば脳でしょう。脳の血管を詰まらせると、心原性脳塞栓症になります。
では、足の静脈にできた血栓なら?
右心房→右心室→肺動脈。 こちらは肺血栓塞栓症につながります。できた場所が違えば、血流の経路も行き先も違う。
怖いのは、脈が乱れることだけではない
心房細動は、無症状のことも結構ある。本人が困っていなくても、血栓が脳に飛べば、突然、重い後遺症につながることがあります。脈を取るときは、回数だけでなく整か、不整かにも目を向けてください。脈が不整なら、心電図で確かめます。
治療も病態からつなげます。速すぎる脈を抑える、正常なリズムに戻す、血栓を防ぐ。速さ・リズム・詰まり防止です。
血栓を防ぐのは抗凝固療法。ワルファリンを飲んでいる人は、納豆禁止・PT-INRで効き目を確認です。ワルファリンはビタミンKが入ると効かなくなるんです。納豆には、そのビタミンKが多い。効きすぎるから避けるのとは、逆の向きです。
なお、AEDの対象は、心室細動と無脈性心室頻拍。心房細動は、AEDの対象外です。
覚える、隠す、思い出す
心房細動の心電図の特徴を二つ。血栓ができる理由と場所も言えますか。
正常なP波が消えて細動波が現れ、RR間隔が不規則になります。心房が震えるだけで十分に収縮せず、左心房、特に左心耳で血液がよどみ、血栓ができます。
左心房の血栓と、足の静脈の血栓。それぞれの経路と行き先は?
左心房の血栓は左心室・大動脈を経て脳や全身へ。足の静脈の血栓は右心房・右心室を経て肺動脈へ流れます。
ワルファリンで納豆を避けるのは、薬が効きすぎるから?
逆です。納豆に多いビタミンKがワルファリンの効果を打ち消し、効かなくなるからです。
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