第115回看護師国家試験 午後25
全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。
- 気道確保
- 周囲の環境整備
- 末梢静脈路の確保
- 心電図モニターの装着
- 舌や口唇の咬傷の予防
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答え
1 気道確保

WING先輩の解説
けいれんの前に、意識がない人として考える
優先するのは、気道確保です。
けいれんは意識障害として対応するというのが鉄則。この患者さんは全身性のけいれん発作を起こし、意識がありません。意識がない人に、まず必要なのは気道確保。
気道は、空気が肺へ出入りする通り道です。そこが塞がっていたら、酸素を投与しても肺には届きません。静脈路を確保しても、心電図をつけても、空気が通らない問題は解決しません。
気道が詰まってしまうと一気に死んでしまいますから、空気の通り道を確保することが先です。
意識が低下すると、何が気道を塞ぐ?
一つは、舌根沈下です。舌根は舌の付け根。意識が低下して筋肉の緊張が緩むと、舌の付け根が喉の奥に落ち込み、気道を塞ぎます。
もう一つは、嘔吐です。意識障害の患者さん吐くこと多いです。意識があるときのように、吐いたものを自分で避けたり、十分に吐き出したりできるとは限りません。吐物が気道を塞いだり、気管に入る、いわゆる誤嚥を起こしたりする危険があります。
側臥位、つまり横向きにするのは、気道を保ち、唾液や吐物を外へ出しやすくするためです。
反応はないんだけどどうやら正常な呼吸をしてそうだ。そんな人に取る回復体位も、この考え方です。発作が終わった後も意識が戻らなければ、「けいれんが止まったから大丈夫」と終わらず、呼吸と気道を見続けます。
「必要なこと」と「最優先」を分ける
ほかの選択肢は、全部いらないのでしょうか。
違います。 優先順位を聞かれています。
「周囲の環境整備」は、けがを防ぐために必要です。周りに危険な物がないか、体や頭をぶつけないかを確認します。ただし、この問題で最優先に選ぶのは、命に直結する気道確保です。
「末梢静脈路の確保」は、発作を止める薬などを投与するために必要になります。でも、薬を入れる準備より、今、空気が通っているかが先です。
「心電図モニターの装着」も、状態を把握するための手段です。モニターをつけても、呼吸は確保できません。調べることと、今の危険を取り除くことは別です。
舌を噛まないように、口に物を入れる?
入れてはいけません。
「舌や口唇の咬傷の予防」のために、タオルや箸などを口に入れる。「舌を噛まないように」は誤った対応です。無理に口を開けたり、物を入れたりすると、歯や口の中を傷つけ、気道閉塞の原因にもなります。
気道を確保することと、舌を噛ませないように口へ物を詰めることは、全く違います。けいれんしている体を無理に押さえ付けることも避けます。
正常な呼吸がないときは、対応が変わる
意識がない人への対応を、もう一段整理します。
正常な呼吸があるなら、気道を保つ。正常な呼吸がないなら、心停止を疑って胸骨圧迫。
あえぐような死戦期呼吸は、正常な呼吸には数えません。「けいれんを見た」という最初の印象だけで判断を終えず、反応と呼吸を確認します。
隠して、理由まで言ってみる
全身性けいれん発作の患者さんに、静脈路やモニターより気道確保を優先するのはなぜ?
意識がなく、舌根沈下や嘔吐で気道が塞がる危険があるからです。気道が塞がると、酸素を投与しても肺に届きません。
側臥位は、何を防ぐための姿勢でしょう。
気道を保ち、唾液や吐物を外に出しやすくして、気道閉塞や誤嚥を防ぐためです。
口にタオルを入れる対応と、正常な呼吸がないのに側臥位で待つ対応。どちらも適切?
どちらも不適切です。口に物を入れると、口の中の損傷や気道閉塞の危険があります。反応がなく正常な呼吸もなければ、心停止と判断して直ちに胸骨圧迫を始めます。
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