第115回看護師国家試験 午前69
ヤーロムの集団精神療法の治療的因子のうち、普遍性に関する説明はどれか。
- これまで知らなかった情報や助言を得ることができる。
- 人間の生や死、生きる意味について考えることができる。
- 他の人の回復と成長が、自分の回復と成長への希望となる。
- 自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。
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答え
4 自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。

WING先輩の解説
「自分だけではない」と気付くのが普遍性
同じような悩みを持つ人の話を聞いて、「こんなことで困っているのは自分だけだと思っていた」と感じる。ヤーロムの集団精神療法でいう普遍性は、この気付きです。
「普遍」という言葉を難しく考えなくて大丈夫です。自分だけが抱えている特別な問題ではなかった。 選択肢4は、そのままこの内容を述べています。答えは4です。
集団での治療には、ほかの参加者から情報を得たり、回復した姿を見て希望を持ったりする働きもあります。今回は、その中のどの働きを「普遍性」と呼ぶのかを区別します。
「仲間がいる」と「自分も回復できそう」は、似ていて違う
最も迷いやすいのは3です。他の人の回復が自分の希望になるのも、集団ならではの働きですよね。
ただし、3が表すのは希望をもたらすことです。他の人が回復している姿から、自分のこれからにも希望を見いだしています。
4の中心は、回復できるかという将来の見通しではなく、同じような問題を抱える人がほかにもいるという発見です。
| 気付いたこと | 治療的因子 |
|---|---|
| 自分だけが困っているわけではない | 普遍性 |
| 他の人が回復している。自分にも希望がある | 希望をもたらすこと |
| 知らなかった情報や助言を得られた | 情報の伝達 |
| 生や死、生きる意味について考えた | 実存的因子 |
選択肢1は情報の伝達、2は実存的因子、3は希望をもたらすこと。いずれも集団精神療法に関係する内容ですが、普遍性とは別の因子です。
名前を答えた後は、本人の言葉へ戻る
支援の場面で「自分と同じような経験をした人と話したい」と相談されたら、その希望を大切にします。病名だけを見て支援内容を決めるより、本人が何を求めているかを聞くことが出発点です。
ただ、似た経験を聞いたからといって、全員の気持ちが同じになるとは限りません。「みんな同じだから気にしないで」と本人の苦しさを片付けることと、本人が「自分だけではなかった」と気付くことは違います。つらさを受け止めた上で、つながりを支えると考えてください。
この問題では、治療的因子の名称を一度に全部並べる必要はありません。まず「自分だけではない=普遍性」を即答し、紛らわしい「回復への希望」と区別する。
隠して、気付きと名前をつなぐ
「同じことで困っている人がいた。自分だけではなかった」。どの治療的因子?
普遍性です。同じような問題を抱える人がほかにもいるという気付きです。
「回復した人の話を聞き、自分にも希望が持てた」は普遍性?
希望をもたらすことに当たります。「同じ悩みがある」と「自分も回復できそう」を区別します。
参考資料
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