第115回看護師国家試験 午前60
正期産で出生した健康な乳児で正しいのはどれか。
- 出生36時間後に初めて胎便が排泄される。
- 学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。
- 母乳栄養児では生後3か月以降も生理的な黄疸が遷延する。
- 経腟分娩で出生した児の腸内細菌叢はDöderlein〈デーデルライン〉桿菌が優勢である。
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答え
2 学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。

WING先輩の解説
生まれたばかりの体は、まだ完成形ではない
乳児の体は、成人と同じ働きが、最初から全部そろってはいません。胃と食道の境目のしまりも、まだ未熟です。
飲んだものが、胃から食道へ戻る。これが胃食道逆流です。括約筋は締める筋肉。締める筋肉があれば逆流しないようにブロックしてくれる。乳児では、胃の入口にある下部食道括約筋の働きが未熟で、学童より逆流が起きやすくなります。答えは2の「学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。」です。
少量の乳が口から出る溢乳は、健康な乳児でも見られます。「吐いた」という言葉だけで、すぐ病気とは決めない。土台は、逆流しやすい体のつくりがあることです。
一方、飲めない、体重が増えない、呼吸の問題があるなどの様子が重なれば、健康な子の溢乳と同じには扱いません。
胎便は、出生36時間後が最初ではない
生まれて初めのころに出る、黒緑色の便が胎便です。普通は生後24時間以内に排泄されます。1の「出生36時間後に初めて」は、正期産の健康な児の標準的な経過ではありません。
便は、その後、移行便を経て乳便へ変わります。胎便から乳便へ変わる途中の色を移行便と言います。胎便→移行便→乳便の順です。胎便の排泄が遅れていれば、腸の通り道などを確認する手掛かりになります。
黄疸は、「いつまで続くか」を分ける
生理的黄疸は、出生後しばらくして現れ、生後1〜2週で引いていくと押さえます。3の「母乳栄養児なら、生後3か月以降も生理的黄疸が続く」は選びません。
母乳に関連して長く続く母乳性黄疸はあります。でも、それと出生直後の生理的黄疸の経過は別のものです。「母乳だから長く黄色くても全部正常」と判断するのも違います。
母親の腟と、児の腸を同じにしない
腟にも善玉菌がいる。それがデーデルライン桿菌。母親の腟内の乳酸桿菌です。経腟分娩で母体の菌に触れることと、その菌が出生後の児の腸内細菌叢で優勢だと言い切ることは別。4は選びません。
出生時の接触や、その後の母乳・人工乳などの影響を受けて、腸内細菌叢が形成されていきます。母親の腟内細菌と、乳児の腸内細菌を混同しない。
隠して、正常な経過を思い出す
健康な乳児が学童より胃食道逆流を起こしやすいのは、なぜ?
胃と食道の境目にある括約筋の働きが未熟なためです。少量の溢乳は健康な乳児にも見られます。
胎便が初めて出る時期と、生理的黄疸が引いていく時期は?
胎便は普通、生後24時間以内。生理的黄疸は生後1〜2週で引いていくと押さえます。
参考資料
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